かつて、日本三大奇祭のはだか祭り「西大寺会陽(えよう)」で知られる岡山市東区西大寺と、岡山市中心地にある日本三名園の岡山後楽園外苑、現在の夢二郷土美術館(岡山市中央区浜)のある地を結ぶ11.5kmを、ガタゴト、ガタゴト走る軽便鉄道がありました。 それが、西大寺鉄道です。
1910(明治43)年、地域の人々の希望と大きな使命を担って創立し、翌年開業した西大寺鉄道は、「けえべん」の愛称で親しまれ、52年の間、備前平野を駆け抜けました。
日本でも珍しい軌間3フィート(914mm)の「けえべん」が小さな車体を揺り動かして、年に一度の会陽の日に、屋根の上まで人が乗るほど大勢の乗客を運ぶ姿は、今でも多くの人の心に残っており、閉業から半世紀たった今でも地域の方々に愛され続けています。